「皆さんがインスタ蠅なら、私ただの蠅だ! べるぜバブ。諸君らがなんか丁度良い壁に集る感じで、私は生ゴミみたいなアニメが大好きね。丁度良い壁が好きってなんか犀川ラボとかにいそうで良いな。羨ましいな。ここで私が訴えたいのは、私の好きな生ごみのようなアニソンとJPOPイベントはなんかスゲェ相性が悪い。80~00年代前半のアニソンはバッカンバッカン受けるけど00年代後半~テン年代のはみんなスーンってなる。テン年代って呼び方は常々どうかと思ってたんですが、2020年以降はニテン年代になるのかと思うとワクワクしちゃって。ニテン年代という語感には吉岡里帆が住んでる。スーンとなるのも分かる。アニソンからオタ臭を抜く為の禊の期間がまだ終わってないのです。禊の間、小指の骨を折ったり、足の小指の骨を折ったり、薬指の骨を折ったりなどの厳しい苦行を経ないとそのアニソンは皆さんに受け入れられません。本当にそうだろうか。いまだ受け入れてもらう側の気持ちでイベントに参加していないだろうか? そろそろ受け入れる側になっていかないといけないんじゃないか? 葛藤で胸が焦げます。その五分後には、全部忘れてパピコを食べます。大体、動物園より楽しい音楽イベントはいくつ存在しているのでしょう? けものフレンズに頼らないと動物園にも行けない小童どもめ。私は週に4日は動物園に行きたいと思っているし、残りの3日は存在ごと消えたい。動物園は、カバとゴリラとトラだけで満足できるので、もう動物園じゃなくてカバゴリラトラ園があったらいいのにと思う程です。」
以上が、アラケモ。解決編の全貌になります。正答率は1%でした。犯人の告白が示すように、アラケモ。は沖縄県唯一のJPOPイベントです。JPOPイベント警察の私が言うので本当です。私を疑うという事は、捜査一課長を疑うという事、ひいては日本の警察組織全体にケンカを売るという事になるんですよ? あなたにその覚悟はあるんですか? あと、捜査一課長はカマキリなので、日本のカマキリ組織全体にケンカを売るという事にもなる。アラケモ。は警察とカマキリをバックに、周辺JPOPイベントを潰し続け、今年で14周年を迎えます。おめでたいですね。人間の年齢でいうと、授業中に急に精通が始まったり、痛風の予感がし始める歳です。といっても、私は7年目から加入しましたので、それ以前の事は全く知らないのです。クルーに尋ねても「知らない方が良い事も有る」と目を伏せるばかり。仕方が無いので、結成から7年目までは私の想像で埋めつつ、アラケモ発足から今に至るまでを紐解いてみようと思います。
発足~1年目
終戦間もない沖縄。アメリカによって統治されていたその時代、クラブではダンスミュージック、ブラックミュージック、レゲエ、ヒップホップばかりが流れていました。日本語の歌は琉球列島米国軍政府により禁止されていた為、JPOPのCDは闇市でしか手に入らず、しかも、大変高価でしたので、一部の金持ちや特殊な趣味をした将校達しか買うことが出来ませんでした。地元の住人がJPOPを楽しむ方法は、闇JPOP屋の店内から流れてくるBGMだけ。それでも、JPOPを求めて、毎日多くの地元の住人が店頭に集まりました。その中に、若き日のyorunoさん、takaSHI’Tさんもいました。闇JPOP屋に集まる人は大けれども、毎日必ずそこにいるのはこの2人だけでした。片道2時間の道を歩いて、闇JPOP屋に集まる2人。言葉を交わすことはありませんが、不思議な仲間意識を抱き始めていました。ある日、yorunoさんがいつものように闇JPOP屋に行くと、いつもと違う雰囲気の人だかりが出来ていました。何事かと人込みをかき分けて進んだ先では、闇JPOP屋の店主が少年を、木の棒で打ちのめしていました。万引き。この物が無い町でそういう事をしたらどうなるのか、犬の想像力でもわかる筈です。それでも、いつ死ぬかわからないならいっそ、そんな思いで一か八かの賭けに出たのでしょう。
「この糞餓鬼、きったねぇ手でうちの商品ガメようとしやがって!」
「ご、ごめんなさい! でも、どうしてもこのCDが聴きた」
こめかみを強く打たれたため、最後まで言い切ることが出来ずに倒れた少年。その手には少年の血反吐で汚れた「ザ☆ピ〜ス! / モーニング娘。」が握られていました。
「ァーア、こんなに汚れちまったら売り物になんねぇじゃねぇか」と店主がCDを取り上げようとするも、どこにそんな力が残っているのか、少年は手を放しません。
「……ねぇちゃんが……ねぇちゃんが、どうしても……死ぬ前に聴きてぇって……なぁ、おじちゃん、ねぇちゃんもぅ長くないんだよ……だからさ、少しだけでいいから、貸してくれよ……お願いだよ……お願いだよ……」
仰向けに倒れながら、赤黒く腫れあがって開くことができない目から涙を流して、少年は店主に懇願しました。
「知るかっ!! お前のきったねぇ姉ちゃん喜ばせて、俺に何の得があるってんだ!! いい加減、CDから手を離さんか!! さもなくば……」
店主はそう言い放ち、あろうことか、手にしている棒を振りかぶりました。
「「やめろっ!!」」
夜野さんがそう叫んでしまったのは、少年に同情したからだけではありません。貧困で死ぬ子供なんて飽きるほど見てきましたし、夜野さん自身、飢えと病気で死の淵をさまよったこともありました。そんな時、夜野さんの心を支えたのは、進駐軍のラジオから流れるモーニング娘。のナンバーだったのです。少年の姉を、仲間を見捨てるわけには行かなかったのです。そして、それは夜野さんと同時に声を上げたtakaSHI’Tさんも同じでした。
「ぁあ? なんだ兄ちゃんら? 小僧の仲間か? なら、この小僧どうにかしろ! 関係ない? じゃあ黙ってろや! は? 酷過ぎる? 知ったこっちゃねぇよ! こっちは商売なんだよ! そこまで言うなら、お前らがこのCD買いとってくれんだろうな? 500ドルだ! 持ってんのか?」
声を上げてしまった以上、仕方がない、二人は覚悟を決め、それぞれが持っている全財産を出しました。ちょうど500ドル。実は2人とも、それぞれJPOPでイベントをするためにお金をためていたのです。クラブではJPOPを流せない。ならば、自分たちで機材を買って、好きな場所で、好きなJPOPでDJをするんだ、そう心に決め、毎日不発弾を探し、雷管を外し、鉄くず屋に売りさばく、命を懸けて貯めたお金でした。しかし。同志のため、同じモーヲタを救うため。お金はまた稼げる。二人は店主にお金を渡しました。
「兄ちゃんら、頭おかしいんじゃねえの? まぁ、金払ってくれたからこっちは構わんが。さぁ、さっさとそのガキ連れて帰ってくれや。周りのヤツらもさっさと散れ! こんなに人が集まったら目立ってかなわん!」
もっとリンチが見れると思っていた観衆も興ざめし、あきれ顔で帰っていき、夜野さんとtakaSHI’Tさんと倒れた少年が残されました。
「……なんだよ、兄ちゃんたち。なんでお金出したんだよ……」
お前のためじゃない、苦しんでいるモーヲタのためだ、さぁ、担いでやるから早くお前の姉ちゃんにCDを聞かせに行こう、そう促す夜野さんに、少年は苦しそうに言いました。
「ごめんよ、お兄ちゃんたち、実はオイラに姉なんていないんだ……どうしても、モー娘。のCDを聴きたくて……オイラ、姉ちゃんどころか、親族全員、戦争で亡くしちゃったんだ。身寄りもなくて、どうしようもなくて、米軍のレストランのゴミを漁ってたら、雑誌かなんかの切れ端があってさ、それに載ってたんだ。モー娘。スッゲェ綺麗で、それ見てたら凄い幸せな気持ちになったんだ。その日から、娘。はオイラの神様なったんだ。でも、一度も曲を聴いたことなくてさ……そして、今日、闇JPOP屋の前歩いていたら、店主が娘。のCDを仕入れてたんだ……神様の声を聴きたかっただけなのに、なんであんなバチ当たりな事して、嘘までついて、無関係の兄ちゃんたちに迷惑までかけちまったんだろう……本当にごめんよ。このCDは未開封のままブックオフで買い取ってもらって、兄ちゃんたちにちゃんとお金を返すよ……本当にごめんよ……」
少年は仰向けになったまま、嘘をついて懇願してた時よりもずっと涙を流しながら、二人に詫びました。そんな少年に、二人は、お前に姉はいないんだな?と尋ねました。
「……? ああ、さっき言った通り、全部オイラの嘘だよ……なぜだい?」
二人は胸をなでおろしました。良かった、病で苦しんでいるモーヲタなんていないんだ。CDは売らなくてもいいし、俺らに渡さなくていい。お前のものだ。そして、このCDを聴くたび、今日の事を思い出して欲しい。お前は悪いことをした厄介だったが、きっと良いモーヲタになれる。仲間になれる。なってくれ。それで俺たちは十分だ。そういって二人は立ち去ろうとしました。
「……待ってくれ! 兄ちゃんたち! オイラ、こんな状態だからまだ動けねぇけど、 兄ちゃんたちについて行かせてほしい! 体が治ったら、すぐ働く! なんでもする! 兄ちゃんたちに恩返しさせてくれ! 仲間に入れてくれ!」
二人は目を見合わせ苦笑しました。夜野さんとtakaSHI’Tさんも、ついさっき初めて言葉を交わした程度の間柄です。それなのに、仲間だなんて。ただ、こいつらとなら、悪くない気もする。二人とも気持ちは同じでした。
「決まりだね! あ、まだ名前言ってなかったや、オイラ、DJきなこもちアイスっていうんだ! よろしく、兄ちゃんたち! あと……ごめん、オイラまだ立てそうにないから、ちょっとだけ待っててよ。そうだ、その間に、チームの名前とか決めちゃおうぜ!」
その時、営業を再開した闇JPOP屋の店内からユニコーンの傑作アルバム「ケダモノの嵐」が流れてきました。それを聴きながら、夜野さんは考えたのです。こんな嵐みたいにいろんな事が起きた日にぴったりのアルバムだと。ならば、それにあやかったチーム名にしよう。そのまま使うのも芸がないから、前後を入れ替えて、ケダモノを漢字にしよう。そして、モーヲタが3人もいるんだ、『。』もつけてみよう、これは、なんだかいい感じがするな、と。≪第一部 完≫
2年目
私はこれをあと5本も書くのだろうか? マジかよ。ちなみに1年目の第二部では、董卓を倒すも国を持つことを出来ず、民を引き連れ諸国を放浪し、南国の夜という約束の地で神から十戒を与えられるアラケモ。クルーの受難が書かれました。
3年目
TAI=chanさん加入。
4年目
ダッコちゃんブーム到来。
5年目
アイドル戦国時代突入。
6年目
Jリーグ開幕。
黒船来航。
アイドル明治時代突入。
7~14年目
私加入。
猫大発生。
DJフクタケさん加入。
アラケモ。結成から今までを駆け足で巡ってまいりました。アラケモ。の素晴らしさと、職場でこんな文章をノリノリで途中まで書いて家に帰って続きを書こうとしたらガタ落ちしていた私のテンションについて、ほんの少しだけでも伝わりましたら嬉しいです。勿論、まだまだ書くべきことは残っています! これは、アラケモ3部作ですよ! 前回の記事がアラケモ。の現在、今回の記事がアラケモ。の過去、次の更新記事ではアラケモ。の未来が書かれます! その内容をちょっとだけお見せしますね!
ARAKEMO。 14th ANNIVERSARY
『ナイトパチパチ VS ARAKEMO。』
2017/9/9 SAT. 22:00~
@那覇市・熱血社交場
【ナイトパチパチ DJ’s】
DJ 急行
ディスク百合おん
Shink
ゴロー
【ARAKEMO。CRU】
yoruno
takaSHI’T
TAI=chan
O-TO
※先着で「ナイパチオリジナルハンドスピナー」「ARAKEMO。14周年記念MIX」をプレゼント!
